静岡県平和センター 平和センター

軍国化を目指す政治勢力に断固として反対していく

 2012年12月20日、静岡県平和・国民運動センターは、静岡市駿河区南町の静岡労働会館で、第20回定期総会を開催し、各構成労組、地域組織から38人が出席した。

 総会の開会あいさつにたった宮下智亘副会長は「今日の新聞朝刊に『憲法改正を改正する』という見出しがあり、『天皇の元首化』、『国防軍の明記』、また人権を制限し首相に強力な権限を与える『緊急事態条項の新設』、さらに憲法改正要件を緩和するため衆参両院で過半数以上にするなど、戦後民主主義を否定し軍事力強化、戦前回帰の道を進むのではないかという内容ばかりの記事が掲載されていた。我々としては、平和・人権・環境・共生の理念に基づく新たな21世紀の社会を目指す以上、偏狭なナショナリズムをもとに軍国化を目指す政治勢力に対し、断固として反対していく運動を進めていくべきではないか」とあいさつした。

 総会の議長には、県私鉄の佐藤貴義さんが選出された。続いて、同センターを代表して、須藤達美会長は「昨年の総会で会長に選出いただいて1年が経過したが、平和センターの役員の経験がない中で会長として諸行事を何とか行うことができたのは構成組織の皆さんのご協力によるものと感謝している」とあいさつした。

総会 次にご臨席いただいた来賓の方々からあいさつをいただいた。
連合静岡会長の吉岡秀規さんは「平和運動に携わっている皆さんの新しいイメージで、もう一度運動を立て直してもらいたい。選挙は負けてはだめである。中国と北朝鮮が自民党の味方をして日本を右に追いやった。そのもっとも象徴的なのが日本維新の会の54議席である。参議院選挙に向けてもう一度立て直して私もがんばる」とあいさつした。


総会 次に社民党静岡県連合代表の橋本勝六さんは「この1年間、平和・国民運動センターとともに、反原発の闘い、オスプレイ配備反対の闘い、原水禁運動などに取り組んできた。今回の衆議院解散総選挙は社民党にとっても厳しい結果となった。今後、党も含めてどのような道をたどっていくか真剣に論議をしていかなければならない。原発維持をめざす自民党と日本維新の会の票数が全国で2,900万票、一方、脱原発を目指す民主党、社民党などの票数が3,100万票だった。国会議員は圧倒的に自民党議員が多いが、国民の投票行動は、全体では原発容認ではない。自信をもってこれからの運動を取り組んでいきたい。二つ目は、ドイツは福島第一原発の事故をみて脱原発へ方向を決めた。しかし、日本はこれだけの大惨事を起こしながら、なぜそのような方向にならないのか。そこには日本人のものの見方が近視眼的であるため、ドイツのように国民運動になっていかない。我々も国民運動をさらに盛り上げていく努力をしていきたい」とあいさつした。

総会 続いて、静岡県勤労者協議会連合会事務局長の福井豊さんは「勤労者協議会連合会は1963年に結成され、来年結成50年を迎える。現在県下12市町に単位勤労協があり活動している。静岡県平和・国民運動センターと共通の課題として取り組んでいるのが、護憲・平和・反核・脱原発である。静岡県平和・国民運動センターも結成20周年を迎え、この間の運動の成果と体験をぜひ活かして、さらに連帯の輪を広げていってもらいたい」とあいさつした。

 また、県選出民主党国会議員、県内外の団体、高校生平和大使の鈴木七海さんなどから多くのメッセージが寄せられた。
 続いて、同センター鈴井孝雄事務局長が、2012年度一般経過報告、2012年度会計について報告し、会計監査の尾崎恭志さんから会計監査報告が行われた。いずれも、圧倒的多数の拍手で承認された。 議事の部では、鈴井事務局長から、第1号議案2013年度運動方針(案)、第2号議案2013年度財政執行方針(案)及び予算(案)が提案された。

 この提案に対して、3人の代議員から意見や報告があった。
全造船の小豆沢清久さんから「三保造船再建支援共闘会議について、引き続きの支援をお願いしたい」との意見があった。また、高校ユニオンの有元利通さんから「次の参議院議員選挙、総選挙に向けて、護憲や反原発をキーワードにしてブリッジ共闘や統一候補の擁立を平和センターがやっていった方がいいのではないか」という意見があった。

 県教組の関口代議員から「昨年の総会でも教科書問題について発言させていただいたが、まさかこのような政治状況になるとは思わなかった。次期首相となるであろう方が、教育基本法の改正、教科書問題では国家主義的な思想を取り入れようとしている。県教組としてもこの動きを注視していくが、皆さんにも教育問題についても理解していただき、このような教科書が採択されないよう協力をお願いしたい」と意見があった。

 3人の代議員の意見に対して、鈴井事務局長は「三保造船の支援共闘会議については、仲間を助け合うというのは労働組合の基本であり、私たちの平和運動というものは、賃金労働条件の最も基本となるものは平和である。平和であるからこそ賃金労働条件もある。これからも共に闘っていく。参議院選挙に向けブリッジ共闘なども含め憲法を守るという立場での統合については、今回はじめて、平和フォーラム議員懇が立ち上がった。その中には、民主党のリベラル派や社民党の国会議員が名を連ねている。今回の総選挙で多くの国会議員が落選した。平和運動・平和フォーラムグループの結束は大切である。これから、どうしていくのか真剣に議論していかなければならないと考えている。教科書問題については、戦前を振り返ると、教科書により私たちの思想が切り替えられた。子どもたちへ兵隊になることをすすめたという洗脳教育がされた。その反省から『子どもたちを再び戦場におくるな』というスローガンの下で県教組、日教組の皆さんが闘ってきた。今こそ、そのことを思い出して取り組んでいかなければならないと考える。平和勢力も戦前とは比べものにならないほど大きくなった。ただ、それが分断されたことが今回の総選挙の結果につながった。分断されたものをもう一度つなぎ合わせ、結束して闘うことで切り拓いていかなければならない。どのようにしても改憲させてはならない」と答弁した。この後、採決が行われ圧倒的な賛成多数で承認された。

 引き続き、第3号議案2013年度役員体制(案)が提案され、今総会で退任される須藤達美会長の後任に原科臣孝同センター幹事を、また自治労静岡県本部副委員長の杉山淳さんを幹事とする新役員体制が提案され、圧倒的賛成多数で承認された。原科臣孝新会長の任期は須藤達美会長の残任期間で2014年12月の第21回定期総会までとなる。

 その後、総会宣言を高校ユニオンの有元利通さんが、スローガンを同センター幹事の立花賢司さん(全農林)が読み上げ、全員の拍手で確認された。ここで、議長を務めた県私鉄の佐藤貴義さんは降壇した。

総会

 総会の閉会あいさつで同センター幹事の小豆沢清久さん(全造船)は「ここで決まった運動方針を自分の労組に持ち帰り、運動を進めていってほしい」とあいさつした。最後に、原科臣孝新会長の団結ガンバローで総会は終了した。

総会