静岡県平和・国民運動センター 高校生平和大使

高校生平和大使しずおか・高校生1万人署名活動実行委・静岡ニュース(第20号) 2013年8月14日発行

被爆68周年原水爆禁止世界大会・長崎大会 静岡から高校生3人が参加、全国の高校生らと交流

 8月7日(水)から9日(金)、長崎市の長崎ブリックホールほかで、「被爆68周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」が開催された。静岡県から第16代高校生平和大使に選ばれた渥美真央さん(静岡サレジオ高校2年)、長崎派遣代表の黒岩静香さん(静岡英和女学院高校3年)、守田知代さん(不二聖心女子学院高校1年)の高校生3人が参加した。

静岡の代表として、自覚と責任をもって
世界に訴えていきたい

高校生平和大使

 初日(7日)は、長崎ブリックホール大ホールで行われた「被爆68周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」開会総会へ参加した。静岡をはじめ、地元長崎、広島ほか、各県の高校生たちは、開会前、総会へ参加する人々に会場入口で、署名とカンパ募金を呼びかけた。

 開会総会では、川野浩一原水爆禁止国民会議議長が主催者あいさつで「あの日から68年、あさって、長崎は68回目の原爆の日を迎えます。被爆者の平均年齢はすでに80歳近くに達し、被爆体験の風化が心配されています。しかし、長崎には明るい未来があります。高校生、若者の活躍です。高校生平和大使の運動は、全国に広がりつつあります。高校生一万人署名活動、スイス、ジュネーブに届ける署名は、今年、100万筆に達しようとしています。一方、被爆しながら被爆者として認められない被爆体験者問題、原爆症認定問題、被爆二世・三世問題、外国人被爆者問題、68年が経った今でも、未だにさまざまな問題が解決されていません」と高校生たちの平和運動への期待と未だ多くの問題が解決されていない現実があることを訴えた。

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 核兵器廃絶を求める署名をジュネーブの国連欧州本部に届ける、渥美真央さんら高校生平和大使20人と全国の高校生一万人署名活動実行委員会のメンバーが登壇し、渥美さんは「第五福竜丸の乗組員が被爆した第三の被爆県、静岡の代表として、自覚と責任をもって、世界に訴えていきたい」と決意表明した。

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 続いて、全国の高校生一万人署名活動実行委員会を代表して、守田さんが「私たち、高校生一万人署名活動実行委員会は、約13年間の活動を経て、もうすぐ100万人の署名を達成します。これからもともに平和な世界を築きあげていけるようにがんばりましょう」と約1600人の開会総会参加者に呼びかけた。

若者150人平和を考える
「ピース・ブリッジ2013inながさき」

高校生平和大使

 大会2日目(8日)は、国内外の若者が平和について考える「ピース・ブリッジ2013インながさき」が長崎市桜町の県勤労福祉会館で開催された。高校生一万人署名活動のメンバーなどでつくる実行委員会の主催。東日本大震災の被災地、福島県南相馬市からの報告や各県の署名活動の報告があり150人が参加した。渥美さん、黒岩さん、守田さんの3人は、静岡での署名活動について報告し、2回の街頭署名を実施したことや全部で2,455筆の署名が集まったことを報告した。

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 被災地からは福島県南相馬市の高校生が、現在の状況を報告した。高校生平和大使や韓国とフィリピンの高校生もそれぞれ平和への思いを述べた。静岡の高校生平和大使の渥美さんは「今回はいろいろな国や各県の話を聞くことができ、大変ためになった。静岡では署名の回数もまだ少ないし、署名してくれる人数も少ないが、講演などいろいろな方法があると知り、静岡に帰ってから実行していきたい」と抱負を語った。続いて、高校生一万人署名活動の歌を参加した高校生全員で合唱し、最後に「世界平和の実現のために、ともに歩むことを宣言します」との宣言文が読み上げられた。

下平作江さん 戦争の悲惨さを訴える
被爆体験を語り継ぐ会

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 午後は同会場で、長崎で活動する市民団体が各種イベントを通じて、平和の大切さを訴える「ピースウィーク2013」主催の「被爆体験を語り継ぐ会」に参加し、若者たちが、被爆者の下平作江さん(78)の被爆体験を聞き、原子爆弾や戦争の悲惨さについて考えた。

 下平さんは、爆心地から800メートルの自宅近くにあった防空壕で被爆。母、姉、兄を失った。助かった妹も10年後、列車に飛び込んで自ら命を絶った。翌日、妹の後を追おうと下平さんも線路際に立ったが、「怖くてできなかった」という。下平さんはそのとき「どんなにつらくても、家族の分まで生きる」と決意した。講演の最後に「核兵器や戦争のない平和な世界をつくってほしい」と高校生たちに思いを託した。 参加した高校生は、下平さんの被爆体験を聞いて、胸をつまらせ涙ながらに決意を語った。

山口仙二さんの平和への思いを学び決意新たに

 夕方17時30分からは、長崎市筑後町の県教育文化会館で、被爆者運動をけん引し、7月に82歳で亡くなった山口仙二さんの平和への思いを受け継ごうと、証言DVDの上映会に参加した。上映会には、高校生平和大使をはじめ、全国の高校生一万人署名活動実行委員会のメンバーなど約50人が参加した。静岡の渥美さん、黒岩さん、守田さんの3人も核兵器の廃絶と平和な世界の実現への決意を新たにした。

高校生ら「人間の鎖」
~核兵器廃絶、平和な世界の実現を祈る~

高校生平和大使 高校生平和大使

 大会最終日(9日)、午前6時30分から長崎市の爆心地公園で、核兵器廃絶を求める「高校生一万人署名活動」のメンバーによる早朝若者集会が行われ、渥美さん、黒岩さん、守田さんら、署名活動に励む全国、そして韓国、フィリピンの高校生とOB・OG、高校生平和大使ら約150人が参加した。

 同公園内の原爆落下中心地碑を前に「核兵器の廃絶と平和な世界の実現をめざす」と書いた垂れ幕を掲げ、犠牲者の冥福を祈り黙とうした。そして、原爆落下中心地碑を中心に、参加者全員が手をつないで「人間の鎖」をつくり、「世界平和実現のためにあなたが今できることを考えてください」といった「中高生平和宣言」を読み上げ、核兵器のない平和な世界を願い、また東日本大震災、福島第一原発事故からの復興を祈った。

高校生平和大使20人国連欧州本部で
核廃絶を訴える決意を語る
全国の高校生一万人署名活動実行委員会の
高校生も抱負を述べる

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 早朝若草集会終了後、「被爆68周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」の閉会総会へ出席した。閉会総会には全国から2,000人が参加した。同総会で、川野浩一・大会実行委員長(原水禁議長)は「原爆も原発も同じ核だ。国民の世論は脱原発に向かっている。私たちはこの先頭に立とう」と呼びかけた。

 総会の高校生のアピールでは、第16代高校生平和大使に選ばれた20人と、全国の高校生一万人署名活動の高校生たちが顔をそろえ、高校生平和大使20人は、国連欧州本部で核廃絶を訴える決意を語り、また、長崎をはじめ、全国で核廃絶の署名活動をしている高校生も抱負を述べた。静岡の黒岩さんは「私たち静岡県は一万人署名活動を進め、核も戦争もない平和な世界の実現に向けて、平和活動を広め、平和に対する努力を継続していく」と決意を語った。

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 閉会総会終了後、渥美さんたち高校生平和大使20人は平和公園での長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典へ参列し、また黒岩さん、守田さんら、そのほかの高校生たちは、県立総合体育館から爆心地公園まで「核兵器廃絶」「世界平和」を訴えながらパレードに参加し、爆心地公園到着後、原爆投下時刻である午前11時2分を迎え、公園にいる全員が犠牲者を悼み黙とうした。

平和宣言  核兵器の脅威なき社会へ
~ 平和な世界 私たちがつくる ~

 長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典には、遺族や被爆者、安倍晋三首相のほか、各国の政府代表ら、約6,300人が出席した。渥美さんら高校生平和大使20人も式典に出席した。田上富久長崎市長が平和宣言で、核兵器の非人道性を強調。日本政府が4月にジュネーブで開催された核不拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会において、「核兵器の非人道的影響を警告し廃絶を求める共同声明」へ賛同の署名しなかったことを挙げ、「日本は世界の期待を裏切った。核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢を日本政府は示したことになる。これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反する」と、日本政府の核政策を批判した。そして、被爆国としてのリーダーシップを具体的な行動で示すよう日本政府に求めた。

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 昨年8月1日から今年7月末までに死亡が確認された3,404人の原爆死没者名簿4冊が奉安された。原爆投下時刻の午前11時02分、黙とうをささげ、これで、原爆での死没者の総数は162,083人となった。静岡県から参加した渥美さん、黒岩さん、守田さんの3人は、午後の非核ユース特使委嘱式に参加し、長崎でのすべての日程を終え、長崎をあとにした。


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